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  • 著者名:

    三浦まどか(プロフィール

  • 公開日:2014年3月4日
  • ©描楽書蔵

鳴り砂と涙と道化師たち

鉄の街・室蘭、鳴り砂の浜で出会った女性と少年に芽生えた友情物語。

貴子は夫が鬱病で自殺未遂してからずっと一人で苦悩と闘ってきた。
そんな時、父が倒れたと母からの電話が入り五年ぶりに室蘭へ帰ってくる。
元気な父に安心した貴子はイタンキ浜にやってくる。
波打ち際にいた拓海が自殺すると早合点した貴子は水浸しにしてしまい自宅へ連れて帰る。罪滅ぼしに拓実を観光地へ案内して回ることに。
拓海は、貴子と自分の間には、シンクロニシティが存在すると話す。
拓海の兄も鬱病だと聞き貴子は、置かれている状況と苦悩が一致していることに驚く。
そして、兄を追いつめたと自分を責めつづける拓海を励ますのだった。
刹那、キュッキュッと鳴り砂が鳴いた。感動する貴子と拓海。
貴子は帰る直前、父の病気が芝居だと聞かされる。
両親は何も言わない貴子を心配していだった。
両親の大きな愛情を知っても涙を我慢する貴子。
翌早朝、拓海は号泣していた。
拓海は貴子も我慢しないで強くしっかりと生きるために泣けという。
汚れていると鳴かない鳴り砂は、自分たちに余計な体裁やプライドを捨てて泣くことを示唆していた。
貴子は鳴り砂に誓う。
どんなに現実が待っていようとも絶対に生きると。

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