石川県羽咋市に、農業をやりたい人たちが集まっている。彼らが目指すのは、農薬も肥料も除草剤も使わず、土壌の微生物の力で育てるという「自然栽培」での野菜&米作りだ。昨年、有機野菜に含まれる硝酸態窒素で死にかけた私は、市販の野菜が怖くて食べられなくなった。硝酸態窒素は、肥料や堆肥などに含まれる成分で、牛が死ぬこともある危険なものだ。私は、食べられる野菜を探して自然栽培と出会い、やがて街ぐるみで自然栽培に取り組んでいる羽咋にたどりついた。ここではJAと行政がタッグを組んで農業塾を運営し、生産者を増やそうとしている。しかし、これまでの農業から自然栽培に切り替えるためには、様々な試練を乗り越えなくてはならない。本編では、農業塾を通して自然栽培とは何かを伝えるとともに、就農者・移住者の生活と人生哲学を軸にしながら、世界農業遺産に認定された能登半島の魅力も併せて紹介していく。(3~4回の連載もの)...