
- 著者名:
阿部 浩(プロフィール)
- 公開日:2014年2月3日
- ©描楽書蔵
六月のイソップ
人はなぜ嘘をつくのだろうか。 そして嘘が現実となった時、人は何を思うのだろうか。 第37回創作テレビドラマ大賞最終審査作。
2009年6月4日の夕方、石川県七尾市で「空からオタマジャクシが降る」という不可解な出来事が実際に起こった。
ニュースや新聞でも取り上げられたが、結局は原因不明のまま世間から忘れ去られていった。
しかし、その真相をある少女だけは知っていた。
中学三年生の紗江は、クラスメイトの涼子に嘘をつき、傷つけたことを悔やんでいる。
謝りたいがその勇気がなかった。
ある日、持病の検診で病院に行った紗江は、入院患者のハナという嘘つきのお婆さんと出会う。
嘘を楽しむ彼女と紗江はしだいに心を通わせる。
担任教師の麻子は、足を引きずって歩くことをバイク事故が原因としていたが、それは嘘であった。
紗江の嘘、ハナの嘘、麻子の嘘。それぞれが嘘を抱えていた。
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